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Maison & Objet 2009
9月4日~8日 までパリで開催された国際インテリア見本市「Maison & Objet 2009」に招待作品として、TENT LONDONにて初公開した、影と映像のインスタレーション「Tengible」を今回のためにバージョンアップし展示しました。
会場はとても広く世界各国からたくさんの方々が訪れていました。今回は、その中でも最も注目度の高い、
新しいインテリアの方向性を紹介する「INSPIRATIONS」というブースでの展示でした。
この作品は、スクリーンの裏に置かれたオブジェのシルエットと投影した映像とが混ざり合い、まるですべてがそこに存在しているかのような幻想的なイメージを描き出します。
来場者には、その触れられそうで触れられない、実体はないが確かに存在する映像に、
実体のあるものよりも強い存在感を感じてもらえたのではないかと思います。
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MEGAHOUSE 都市を使い切るために
阿部仁史+本江正茂、motion graphics by wowlab
9月30日〜10月11日まで「京都造形芸術大学 GALLERY RAKU」にて阿部仁史+本江正茂による都市システムの提案プロジェクト「MEGAHOUSE 都市を使い切るために」が開催されました。今回、wowlabはインスタレーションの映像演出とシステム制作を担当しました。
「MEGAHOUSE」は、建築家の阿部仁史氏と本江正茂氏が考案された、都市全体を一つの巨大な「住まい」として成立させてしまうという、ライフスタイルおよび都市システムの提案プロジェクト。私たちはこの作品で映像をモジュール化しながら全体を構成するという、実験的な映像制作を試みました。
前回展示のワークフロー
http://www.wowlab.net/index.php?ref=works-megahouse-jp/
8台のプロジェクターに投影する映像の制御を、Quartz ComposerとフルスクラッチのCocoaアプリケーションにて実装。映像表現を支える新しい技術にも挑戦しています。
もともと映像が持っていた「モジュール」というコンセプトは、スクリーンを分け、空間に配置されることで物理的にも強調され、「見る映像」から「存在する映像」への方向性を示せたのではないかと思います。
建築家と一緒にプロジェクトチームを組み、展示を作り上げていったこの経験は、私たちが目指している映像や空間の在り方の大きなヒントになるでしょう。
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TETN LONDON 2009
9月24日~27日までロンドンのTRUMAN BREWERYで開催された「TETN LONDON 2009」。
第1回の2007年から3年連続となる今年は、TENT DIGITALという新しいショーケースに招待を受け参加して来ました。
TENT DIGITALは、今年から始まるLONDON DIGITAL WEEKへのTENT LONDONが企画するイベントで、この新しいショーケースでは様々なインタラクティブ、デジタルのコンテンツが展示されました。
ロンドンには、Central Saint MartinsやThe University of the Arts Londonといった、先進的な表現、才能を育てる素晴らしい教育の場があることもあり、毎年そのレベルの高さには目を奪われます。特に今年は、表現と技術が拮抗した素晴らしいインスタレーションに出会えました。
その中でWOWは昨年のミラノサローネで発表した作品「Lights and Shadows」を展示。プロジェクター3台を使用し、 日頃目にするテレビやサイネージとは異なる、 横8mほどの映像を投影することで、視界に入りきらない程のヴィジュアル空間を創り上げました。そうすることで、来場者がヴィジュアルの世界へ没入し、東京の持つパワー、美しさ、儚さ、を理屈ではなく視覚的に感じてもらうことができたと思います。
今回のロンドンの展示で改めて感じたのは、この作品は鑑賞者に東京の光と影を通して、人それぞれ独自の東京を心の中で描き出してもらえる作品なんだということ。この作品の中へ足を踏み入れ、それぞれの脳裏に映し出される景色、それこそがこの作品の本当の姿なのかもしれません。